C O L O R F U L
 


「もう、遊ぶの辞めてよ!」

「はは、遊んでなんかないから」

「ウソばっか!」

「ウソぢゃねーって」

「どうだかね?」


2人が言い合って、笑う。

ただ、それだけのことなのに。

幸せだなって思えた一時だった。





窓の外を見ると暗くなって綺麗な三日月が出ていた。


「やっば〜…!もう10時になるぢゃん…」

「あ、まぢ?……オレ、送ってくよ」

「え、いいよ!」

「こんな時間なのに、女1人ほっとけないっしょ。それに…電車乗れないんだろ?」


ニヤっとしてあたしの顔を見る。


「……なんで知ってんの!?」

「沙那未から聞いた」

「……沙那…っ」


悔しがってたら、圭があたしのカバン持って「そーゆうとこも、可愛いぢゃん」って笑顔で言った。


「………」


あたしは照れて、何も言えなかった。


 
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