C O L O R F U L
 

「……うわ!アタリだ!だ〜から言ったでしょ、くじ運いいからって♪」


そう言いながらクルクル回り、自慢気にその紙を振り回す。


「あ、言い忘れてた。アタリって書いてあるのは、ハズレだからな。なんも書いてないのがアタリ」


……え?
とゆーことは…?


『キャハハハハ!』『ウケる!さすが桜井!』『ハナらしい〜』


色んな言葉が教室に響く。
あたしの頭には苛立ちと恥の2つしかなかった。


「……いやー!先生、早く言ってよ!」

「おまえ、くじ運悪いんじゃないか?」


グサ


胸に刺さる一言を言われ、席に着く。

隣の席の皆本智が机の上に足を置いて「ハンッ」と鼻で笑った。

あたしは睨んで、俯せていた。


 
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