C O L O R F U L
 


「…魔法使いがいなーい!」

目をこすって、もう一度辺りを見渡す。
いつもの朝と変わらない景色。

「え、なんで?なんで?」

……!

「ふっふ〜ん♪景色はその間々でもハナは美人だも〜んね〜♪魔法をかけてもらって〜背が高い綺麗な人になっ……」


変な歌を歌いながらクローゼットの横にある鏡の前に立ち、鏡に映る自分を見た。


「……てなーい!!」


鏡の前にはいつもの自分と変わらない自分が立っていた。

髪の毛ボサボサ、スウェットは腰まで下がってパンツまる見え。


……寝起きの小学生ぢゃん…
いつものハナだし。


ショックを受け、鏡の前に座り込むと再び母が部屋に入って来た。


「さっきから何うじうじ行ってんの!今日から高校生でしょ!早く準備しなさい!」

「は〜い……って待てよ!おぉっ!あたし今日から高校生♪」


急にテンションが上がったハナは急いで準備を始めた。


 
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