C O L O R F U L
今日はあたしの入学式なので朝からバタバタしているみたいだった。
「は〜い」
あたしは開きから取った食パンをオーブントースターに入れた。
焼いている間に、冷蔵庫からオレンジジュースとヨーグルトを取り出す。
「いーな、ハナ姉。高校生かぁ…」
沙那がボソッと呟いた。いいでしょ、と自慢しようとしたら、もう一言付け加えた。
「高校生に見えないけど」
そう言ってクスクス笑った。
……はぁぁああ!?
妹にそんなことを言われるなんて…。あー、本当に魔法使いがいたらな、とか意味の分からないことを考える。
「うるさい!」
「だって本当ぢゃん」
≪チン≫
パンの焼けたというお知らせの音が響く。
「そんなこと…「ほら、パン焼けたよ」
スラッと自然に流され、沙那にイライラしながらもパンを取りに行く。