「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  無表情に近い顔。

  自嘲的に笑った顔。


  笑顔ばっかり見ていたから、
  そんな顔を知らなかった。


  もしかしたら、未来のコトを
  何も知らないのかもしれない。


  傷つけても、すぐに笑って
  許してくれる。

 
  野球が大好きで。
  俺が野球一筋のコトを誰よりも
  わかってくれる幼馴染。


  それが俺の中の未来、、だった。


  「なあ、俺さ、未来が
  あんな顔をするんだってこと
  知らなかったんだ。

  今までずっと知らなかった。」


  俺の言葉に二人はびっくり
  したみたいだった。


  だけど、すぐに伏目がちに
  なって言った。

  
  「あたしも知らなかった。
  ずっと一緒にいたのに。」


  「うん。未来のコト分かって
  なかったのかもしれないね。」

  
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