「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  【悠樹side】

  -8月26日。

  葵中との試合が始まった。


  漣と絶対勝つと約束した。


  だから全力を尽くす。
  絶対打たせないし、打つ。


  今頃未来は友華と柊と
  一緒にお墓参りか。


  絶対勝って、笑わせて
  やりたい。


  相手が葵中というのは
  なんとも複雑な気分だが。


  五十嵐も来ているし。


  けど、俺たちの心配が杞憂だった
  のか、五十嵐は何もしなかった。


  新庄が居た頃とは違うのかも
  しれない。

  
  新庄がここに来て
  変わったように、五十嵐も
  変われたのかもしれない。


  俺の打順が回って来た。


  相手のピッチャーが大きく
  振りかぶる。


  俺もバットを振る。


  思いっきり。強く。


  カンッ!!ボールが
  バッドに当たって音が
  響く。


  俺の打った球はどんどん
  伸びていく。


  まずは先制点取ったな。


  
< 204 / 399 >

この作品をシェア

pagetop