「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  「じゃあ、未来と新庄の
  おかげだな!アドバイスした
  未来と、実践してくれた新庄。
  野球部の勝利の女神だな!!」


  その言葉に思わず顔を上げる。
  市川君は思ったとおりの笑顔で、
  楽しそうに言うから、それが
  誰かと重なって見えて。


  好きな人に褒められるのは
  やっぱり嬉しいものだから。


  ね、、未来。あたしはまだ
  諦めないよ?

  だって、ひょっとしたら
  何かのはずみで好きになってくれる
  かもしれない。


  あたしも未来も。どうなるか
  なんてまだ分からないから。


  今はお互い全然ダメでも、
  振り向いてもらえなくても、
  もしかしたら。


  そう思って、思い続けていたら、
  何かが変わるかな??


  だって、未来も少しは
  『振り向いて欲しい』って
  思うでしょう??


  片思いだけじゃなくて、
  思いを返して欲しいと思うのは
  あたしだけじゃないんでしょ??


  「うん!!応援してる!
  頑張って、、悠樹君!!」


  そしたら市川君はチョット
  びっくりした顔をして、


  「初めて悠樹君って呼んだな!
  市川君って柊も同じだから、、
  ややこしかったんだよな。。
  

  ああ!!頑張ってくる。
  よし、、守りにいくか!
  漣、行くぞ。勝つぞ!!」


  笑ってマウンドに向かうから。

 
  本当にかっこいいと思った。


  ずっとずっと。「好き」を
  忘れてた。誰でもよかった。


  けど、今は。こんなにも好き。
 


  
  
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