「野球が俺の恋人」なんて言わせない！！

　　喝をいれたのは新庄だった。
　　俺のほうを向いて、

　　「未来の受け売り！！」
　　付け足すように言った。
　
　　「俺は諦めてなんかねぇんだよ。
　　あいつがやるつったんだから
　　大丈夫だってわかってんだよ。」


　　二球目も空振り。最後の一球。
　　お前が打ってかたねぇと、
　　意味ないだろーが。。。


　　三球目。はっきり言って
　　打てねぇと思った。いくら
　　悠樹でも。


　　悠樹の近くで急激に球が
　　変化した。
　
　　
　　常識的に考えて中学生の
　　打てる球じゃないが、
　　そんなこと悠樹には関係なかった。


　　まるでその変化が見えていたかの
　　ように思いっきりバッドを振る。


　　カキンッ！！ボールが
　　フェンスを越える。


　　「うそだろ。。。。」


　　部員たちが歓声を上げる。
　　さっきまでの顔が嘘のように、
　　晴れ晴れしている。


　　やっぱありえねぇよ、、悠樹。
　　本当に人間か？？


　　悠樹がありえないホームランを
　　打った後、次の打順の部員で
　　あっさりスリーアウトになって
　　攻守交代。たった一点のリード。


　　それでも全然負ける気がしねぇのは、
　　お前が俺の相棒だからだろうな。


　　最高のバッテリーだろ？？


　　「悠樹は、未来を笑わせたいん
　　じゃなくて悠樹が未来の笑った顔が
　　見たいだけなんだろ？？」


　　「その言葉、漣にそっくり
　　そのまま返す。」