「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  ここまできたら悠樹が
  投げる球種は一つしかない。
  全力のストレートで。それは確信。

  勝つということもまた。
  確信していた。

  九回裏終了。


  「さて、報告しに行くか??」

  「行くしかねぇだろ。」


  俺等は試合が終わると
  未来の所へ速攻で向かった。


  元気すぎるほどの笑顔で
  「おめでとう!よかったね!」
  そう言うのを見たい。


  谷口とか五十嵐とか今は
  どうでもいい。


  後でいくらでも、倒してやる。
  ただ今は、早く会いてぇんだよ。


  悠樹とお前は似てるって
  気付いていたか、、未来??


  そういうのに弱いみたいで、
  かなり情けない。


  他人なんかどうでもいいと
  今でも思っている。
 
  
  女は嫌いだ。俺は優しくなんか 
  ねぇし、冷たい人間だけど、それでも。


  悠樹と俺で、未来の家の
  インターホンを押して。


  「どしたの?!そんな息切らして!!
  まさか、球場から走ってきたの?!」


  驚いて。無茶をしたことに怒って。


  俺等が勝ったと告げたらお前は
  「勝ったの?!どうやって?!
  詳しく聞きたい!!おめでとう!!」


  って見たかった笑顔で言うから。
  俺も悠樹も顔を見合わせて。
  
 
  「「かなわねー!!」」

  
  って叫んだ。コイツには
  かなわねぇよ。。本当にな。
  


  
  
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