「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
美香さん×あたし×みんな
  「ちょっといい?」

  「何?こっちは用ないけど。」

  「――――――して?」


  ・・・・・っ?!
  言われたことに驚くしか無かった。


  「そんなことを言われる筋合いは
  ない。断ると言ったら?」


  その人は楽しそうに笑って言った。


  「えー?いいの??
  大切な人が痛い目に遭うかも
  しれないよ??怪我して将来
  ダメになっちゃうかもね??」

  
  怒りですうっと自分が冷めていくのが
  分かった。怒りで自分でも怖いぐらい
  冷静になっていた。


  「そんなことはさせない。
  絶対に守り通す。」


  「ふぅん??でも、あたしの
  言うことなら何でも聞くって
  男子がいっぱいいるんだよね。」


  「嫌いな女子を襲わせたり、
  脅したりさせてたって聞いた
  けど。最低な人間だね。」


  「嗅ぎ回ってたの?セコい事
  するんだ??そこまで知ってて
  あたしの言うこと聞かないって
  ホント馬鹿。」

  
  この人が昔したことを知っている。
  本当は『守り通す』なんて無理なんだ。
  狙われたら逃げられない。絶対に。

  
  自分にとって答えは一つしかないんだ。
  許してくれる?間違ってはいない?
  分からないけど。。


  それでも自分にとって大切な人が
  傷つかずに済むなら。


  「分かった。言うことを聞く。
  誰にも手を出さないと約束
  するなら。どうする?」


  満足そうに笑って「交渉成立」
  そう答えるこの人を殴りたい衝動と
  必死で闘ってる自分がいた。
  
  


  
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