「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  「美香さんに何かされた?」


  あたしの様子がよっぽど変
  だったのか真剣な顔で未来が
  聞いてきた。


  「何もされてないわ。 
  それよりその顔やめなさい。
  眉間に皺寄ってるわ。」


  ビンと未来の眉間を指で弾く。
  

  「痛いって!!何もないなら
  いいんだ。。。」


  「何が『何も無い』って?
  あの女また何か言ってきたのか。」

  
  全くこの男は。。。
  未来との時間を邪魔しにきて。

  「桜井、いちいち湧いて出て
  こないで。迷惑なのよ。」


  「別にお前と喋りに来たんじゃ
  ねぇよ。こっちだって迷惑なんだよ。」


  ・・・・・・・・。
  ものすごいムカつく男。。


  「ほら、二人とも喧嘩しない!
  何でそんな仲悪いの、、全く。」


  仲裁に入ってくる未来。
  いい加減、あたしと桜井の仲が
  何で悪いか気付きなさいよ。。


  その後は、しょうがなく三人で
  喋った。未来はいつも通り
  楽しそうに笑ってた。


  だけど。


  さっきの顔が頭から離れなくて。
  未来が心配してくれてるのは
  嬉しいけれど。


  冷たくて、怖かった。
  もし、あたしが何かされていたら、
  未来はどうするつもりだったのだろう。


  そう思わずにはいられなくて。
  二度とこんな顔をさせたくないと
  思った。
  
  

  


  
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