「野球が俺の恋人」なんて言わせない！！

　　「違うって。神田さんみたいに
　　病気がちじゃなくて普通に健康な仔。
　　雰囲気からして相当違うよ？？」


　　「そうなのか？？
　　じゃあ、、誰なんだ？？」


　　「内緒。」

　
　　「振り向いてくれなくても
　　いいと思ってるんだろ？？」


　　「そうだよ。笑っていてくれれば
　　いいんだ。悲しんでいるのは
　　見たくない。幸せにできるのは
　　好きな奴だけだから、それでいい。
　　

　　これは間違ってると思う？」


　　悠樹は困ったような顔を
　　して、言った。


　　「お前は寂しくないか？
　　それで。辛くないか？」


　　驚いた。そんなことを
　　言われるとは。


　　だけど、だけどさ。
　　答えはもう決まっているんだ。


　　「寂しくないし、辛くもない。
　　笑顔を見ているだけでいいんだ。」


　　悠樹はちょっと笑って、


　　「そっか。俺もそんな風に誰かを
　　想えるかな？いつか。」


　　って言うから、
　　「出来るよ。悠樹なら。」
　　そう答えた。本当にそう思うから。


　　「でも、俺たちは幸せだな。
　　いつだって一人じゃない。
　　世界一仲のいい双子だからな！」


　　そう言って笑う悠樹は、
　　「お兄ちゃん」だった。


　　多分世界で一番弟思いの。