「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  この話を未来にしてやろうと
  思って未来のクラスに向かう途中。


  「ねぇ、桜井君って悠樹君のコト
  好きなの??」


  「え??うん。漣は悠樹のこと
  好きだよ。悠樹も漣のこと好きだし。」


  「じゃあ、柊君は悠樹君のコト
  好きなの?!」


  「好き・・・だと思うけど。。
  どうだろ??喧嘩もよくしてるよ?」


  「やっぱりそうなんだ!!
  見てて嫌なときとかないの?!」


  「うん。ちょっと、、って
  思う時もあるよ、、そりゃね。。」


  俺たちはそのままそこで
  しばらく固まっていた。

 
  未来がいたら、
  『お前が噂回したんだって?』
  そう言ってからかってやろうと
  思っていた。『何それ?!』って
  驚く未来の顔が見たかった。


  騒ぐ女子に返事をしていたのは
  絶対に未来の声だった。


  聞き間違えるハズがない。


  「なぁ、朝未来が言ってたの
  本当だと思うか?」


  おそらく柊も悠樹も同じことを
  考えていたのだろう。


  目を伏せて辛そうな顔を
  していたから。


  あの後、俺達は人の少ない
  食堂に来て、ずっとボーっと
  していた。


  今も同じ。朝から結構時間は
  経ったけど、考えることは
  変わらない。


  「分からない。だけど、
  『ちょっと、、って思う時も
  ある』って言ったときの声は
  嫌がってるような声だったね。」


< 225 / 399 >

この作品をシェア

pagetop