「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  次の日。いつもと同じように
  学校に行った。


  分かってた。悠樹達の中に
  あたしはもう入れないんだって。


  誰も、目を合わせてはくれなかた。
  あたしも、みんなの方を見ようと
  しなかった。


  美香はあたしの方を見て、
  「おはよ♪」と言った。


  あたしも美香の方を見て、
  笑顔で、「おはよ♪」と言った。


  最初は迷った。
  『利益があるから美香とつるんでる』
  と悠樹達に思わせたのに笑顔で美香に
  接したら不自然かもしれない、って。


  だけど、美香があたしに話しかけた
  時の悠樹達の態度を思い出したら、
  どうでもよくなった。


  どうせもう、誰もあたしのこと
  なんか見てないから。


  自暴自棄だったんだ。


  『よかったじゃん』
  そう思ってる。誰も傷付けられる
  ことがなくてよかったって。


  だけど、その思いよりも
  もっと、寂しいという思いの
  ほうが強い。


  みんなが居ないと、こんなにも
  つまらない毎日なんだと、
  今日一日で思い知らされた。


  自業自得だと分かってはいても。


  求めずにはいられなかったんだよ。


  みんなと喋って、笑って、
  いつものように。


  ねぇ、、当たり前は当たり前
  じゃないんだね。


  大切なものはこんなにも簡単に
  手のひらからすり抜けていくんだね。
  

  

  
  


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