「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  「好きにすればいいんじゃ
  ねぇの?どうでもいいし。
  
  けど、柊が何でこんなに怒ってた
  のか俺達はまだ聞いてない。
  説明し終わったら何処にでも行けよ。」


  馬鹿じゃねぇの、と呟いて谷口は
  俺たちに話し出した。


  「未来は、ずっと悩んでたんだよ。
  市川がずっと気付かないから。
  未来の思いに。でも、俺は未来が
  好きだったからずっとアタック
  し続けた。それで、やっと未来は 
  俺に振り向いてくれた。


  中途半端なのは俺にもみんなにも
  失礼だから、
  ってお前達に冷たくしたんだよ。
  お前達に嫌われるような計画まで
  練って、自分を追い込んで。
  未練を断ち切るためにな。。」


  誰も口を利かなかった。
  ただ、沈黙が広がって。


  俺達は未来に何をしたんだろうと
  思うと、苦しくなった。


  信じることも出来ず、傷付け続けて
  いたんじゃないか。馬鹿みたいだ。


  「みんなには言わないでって
  言ったのに。。。。」


  未来が俯いて言う。


  「未来、谷口と一緒で幸せになれる
  のか?悠樹じゃなくて。」


  俺はこれが聞きたい。お前はそれで
  幸せなのか?後悔しないのか?


  「幸せだよ。谷口に会えてよかった
  と思ってる。だから、これからは
  みんなと一緒にはいられない。
  前を向いていきたいと思うから。」


  

  
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