「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  「全部美香の策略だ!!
  でも、それも後で説明する!
  電話したとき、未来は
  『学校にいてちょっと遅くなる』
  みたいなことを言っていた!!」


  俺達は走る。ただただひたすら。


  「学校の近くにいるかもしれない
  ってことですか??」


  「あぁそういうことだ、市川弟。。
  鞄も靴も家になかったからな!」


  何やってんだ、、アイツは!!
  
  
  まさか、学校帰りに誘拐された
  とかじゃないだろうな?!


  何かの事件にまきこまれている
  とか――――――――――?


  考えれば考えるほど悪い方向に
  考えが走ってしまう。

 
  いつから話していない?

 
  いつからあの笑顔を見ていない?


  何も無ければいい。 
  今までのが五十嵐の策略だったなら、
  『心配させるな』そう言ってまた
  未来と一緒にいられる。


  知らなかった。たった一人で
  お前は何を思っていた?


  五十嵐に何て言われたんだ?


  聞きたいことはたくさんある。


  言いたいこともたくさんある。


  だけど、ただ今は、アイツの笑顔が
  見たい。ずっと見ていなかったその
  笑顔が見たい。走ってきた俺たちを
  見て、『一体どうしたの?!』
  そう言ってビックリしてくれればいい。


  俺達はただ、学校への道を走る。
  未来の姿を探しながら、、ひたすら。
  


  
  
  
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