「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  狭い窓から中に入る。


  「学校の何処かにいるかも
  しれないのよね????」


  「井上さん・・・・だっけ。
  いると思うよ。もしいなかったら 
  未来は―――――――――――。」


  谷口はその続きを言わなかった。
  もしいなかったら。


  何かの事件に巻き込まれている
  かもしれない可能性が高くなる。


  『誘拐』『拉致』そんなありえない
  言葉が頭をよぎる。


  
  「悪い方に考えるなよ。
  単に先生に勉強教えてもらってる
  だけかもしれねぇだろ。。。」


  漣の言葉は俺達全員の願いだと
  思う。そうだったらいい。


  
  「まず何処から行く?」


  「今旧館にいるんだし、旧館から
  回ってみよう。そのあと新館に
  行って職員室に寄ろう。」


  こういうとき指揮をとるのは
  やっぱり柊だった。


  俺達は1階を回ってみたが、
  1階には居なかった。


  「じゃあ、二階に行くか。」


  自分の声が堅くなっているのが
  分かる。悪い方へと考えてしまう。
  もし居なかったら。。。


  俺は思っても居なかった。


  学校にいても安全だとは限らない
  ということを。


  次に自分たちが見る光景が
  どんなかも知らず。。


  ただ、学校にいれば大丈夫だと
  思い込んでいた。


  


  
  
< 265 / 399 >

この作品をシェア

pagetop