「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  「未来・・・・・・!」

  あたしの名前を呼んで
  抱きしめてくれた。


  「友華!!未来が痛がるから
  抱きしめちゃ駄目だって!!」


  柊が慌てて友華を止める。
  確かに傷は痛んだけど、友華の
  温もりが嬉しかった。


  「未来、、ごめんね・・・・。」


  それが何に対して「ごめん」と
  言っているのかすぐに分かった。

 
  「謝らないで!!あたしが勝手に
  全部内緒にしてただけだし。もし
  みんなが傷付くようなことがあったら
  嫌だなって思って。ごめんね??」


  「あたしは未来に冷たくされる方が
  よっぽど傷付いたわ。未来に会えない
  方が辛かった。誰かに傷付けられたって
  未来がいてくれるならそれでよかった
  の。それだけでよかったのよ。」


  泣きそうな顔で言うから本当に
  傷つけていたんだなぁって。


  「俺も同じだよ。勿論悠樹も漣も。
  誰かに何かされるとかそんなの
  どうも思わない。でも未来に突然
  冷たくされるのは悲しい。それに
  俺達はそう簡単にやられたりしない。
  そんなに頼りなかった??」


  「ごめんね・・・・・・・。」


  自分のことしか考えてなかった。
  ただあたしがみんなを傷付けられる
  のが嫌でみんなにそれを押し付けてた。


  みんなが自分のことを想ってくれてる
  ことにも気付かず、自分が犠牲になる
  だけならいいかなって思ってた。


  ほんとにごめんね。。。


  「でも、それだけ未来が俺達のコト
  想っててくれてたっていうのは凄く
  嬉しいからね。ありがとう。」


  柊がまた優しい顔になって言って
  くれる。友華はいつもみたいに
  「しょうがないわね」って顔で。


 


  
  
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