「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  【梓side】

  
  未来が先生に呼び出されて
  抜けた後の教室は。。


  ものすごく重い雰囲気
  に包まれていた。


  「マズいね。今まで一度も
  未来が悠樹のことを二の次に
  することなんてなかった。」


  柊君の言葉はいつも今
  どんな状況なのか的確に
  捉えている。。


  「うん。マズいよね。挑発
  するつもりだったのに予想
  より動揺してなかったし。」


  悠樹君に振り向いてもらいたい
  と思う。だけど、その一方で
  あたしは未来には悠樹君を追って
  いてほしいと思ってる。


  だから挑発してみようと
  思ったのに。


  確かに未来は驚いていたけど、
  ショックを受けてる感じでは 
  なかった。傷付いてるという
  感じでもなかったし。


  「でも、桜井にとっては
  よかったんじゃない??
  自分に振り向いてくれる
  可能性が出てきたんだし。」


  井上さんが桜井を真っ直ぐに
  見据えながら言う。


  いつも思うけど、井上さんは
  怖い。多分葵中にいてもトップ
  になれたんじゃないかと思う。

 
  美香とどっちが強いかな。。


  全く正反対だけど、、
  二人ともものすごい怖い。
  
  


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