「野球が俺の恋人」なんて言わせない!!
  「え、、誕生日なの?!」


  お、泣き止んだ。驚きすぎて?


  「そ。だから俺と一日デートしろ。」


  「ク、クリスマスは女の子と過ごさない
  んでしょ?!それにどうせ一緒にいる
  ならもっと可愛い仔の方が――。」


  それ以上は言わせない。


  「黙れよ。俺はお前がいいんだよ。
  他の女だったら誘わない。お前だから
  頼んでんだよ。分かんねぇかな、、
  それぐらい。俺様の誕生日一緒にいろ。」


  それからしばらく無言のまま未来は
  何やら考え込んでいた。


  この殺し文句が効かないのなんて
  この世でこの女ぐらいだね。多分。


  『お前だけ』もし俺が女で誰かに
  そう言われたら間違いなく落ちる。


  未来に『拓人だけ』とか言われたら
  全部放り出して未来にやるのに。


  コイツは絶対言わねぇから。

 
  ふいに未来がこっちを見た。


  綺麗な目だと思った。逸らしたく
  なるぐらい。ムカつくぐらい。


  「いいよ。誕生日だもんね。
  しょうがない。一緒にいるよ。
  どうせ何も予定ないからね。」


  淋しそうに笑うから。


  「悪い・・・・・・・・。」


  「え、、何謝ってんの?!あ、  
  予定ないってやつ?あんま気に
  してないから拓人が気にする
  必要ないよ?!っていうか一人
  でいるより拓人いてくれて、、  
  ちょっと嬉しいし。ね???」


  「俺様と一緒にクリスマスを 
  過ごせるんだ。ありがたく思え。
  普通はありえねぇことなんだぜ?」


  『なによっ!えらそーに!』とか
  なんとか。


  ありえねぇのは、お前の隣にいれる 
  ってこと。もう二度とない機会かも
  しれない。クリスマスにお前の隣に 
  いられるなんてこと。
  


  
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