王女・ヴェロニカ
「ほれ、どさくさに紛れて乳を押し付ける場面ぞ、ヴェロニカ!」
「いっそのこと、王女の唇に吸い付くのだ……」
 などなど、こそこそと言い交していたのだ。
「……なあ、マイク、頼む。この通りだ、暴れ馬のヴェロニカを御せるのはお前くらいだ、頼むからヴェロニカを嫁に……」
 貰ってくれ、と言い終らないうちに、マイクとヴェロニカの姿はその場から掻き消えていた。
「おや、グーレース。マイクとヴェロニカとジャスミンはどこへ行った?」
「……陛下、まんまと逃げられたようです……」
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