クールな溺愛彼氏様⁉︎
「未侑、綺麗だよ」
「・・・っ」
会った時には言ってくれなかったのに。
今なんてもう、雨に濡れて髪は崩れてるし、浴衣だって着崩れている。
「遅いよっ」
「・・・ごめん。照れくさくて言えなかった」
椋平の手が私の首の後ろに回されグイッと引っ張られると、椋平の形のいい唇に私の唇は捕らわれた。
私の知らぬ間に、線香花火の小さ火は音も立てずに落ちていた。
「ありがとう、椋平」
最高の、花火大会だったよ。