クールな溺愛彼氏様⁉︎
★初めての告白!?



「最近、あの人よく来てるのよ」

「え?」



加奈子に言われ視線をホールに向ける。
奥の隅っこの席、帽子を深くかぶった俯き気味の男の人が目に入った。
俯いてるせいで顔はよく見えない。



「よく覚えてるね」




確かに常連になると、さすがに覚えてくるけど。
私、人の顔と名前を覚えるの苦手だからなかなか覚えられないんだよね。




「そりゃ、あんな目だったら覚えるわよ」

「確かに、目立ってるけど」




オフィス街のカフェで、平日のこの時間帯はスーツの人が多いにもかかわらず私服。
よれたTシャツにチェックのシャツを羽織ってジーパン姿の男の人。
おしゃれなカフェに来るようなタイプでは、確かにない。

でも、そういう人だってこういう所でコーヒー飲みたい時だってあるよね。



「あの人さ、前コーヒーこぼした時の人じゃない?」

「え?そうだっけ?確かにああいうタイプの人だったけど」



加奈子に言われても、よく思い出せない。
その人も俯き気味で顔はあまり見えなかったし。
そう言われればそう思えなくもない、程度。




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