クールな溺愛彼氏様⁉︎
それから、本当に毎日カフェにあの人はやってきた。
調子よく手を振ってきたり、話しかけてきたり。
本当に、ことごとく邪魔をしてくれてウンザリ。
あの人、絶対この状況を楽しんでるだけなんだ。
私の事が好きとか、そういうんじゃなくて、からかって楽しんでるだけ。
「今日も来てるよー、彼」
「彼じゃない!なんでこの時間に来るのよ・・・」
時間は11時半。
あと30分もしたら椋平も来る。
できれば鉢合わせてほしくないのに。
別に、やましいことは全くないけど。
「加奈子、楽しんでるでしょ」
「え?もちろん」
「やな奴っ」
「そういう楽しみを見つけながら仕事をしなくちゃね」
他人事だと思って。
そんな事言いながらも、なにも言わず東雲さんの注文を取りに行ってくれたり、私があまり行かずに済むようにさりげなくしてくれていることを知ってるからありがたく思っているけどね。