クールな溺愛彼氏様⁉︎



「最初、シカトされた時、椋平は私が誰といても、なにをしてても気にならないのかなって悲しくなったんだよ。でも、それで一人でうじうじ悩んでいつも後悔するから、ちゃんと椋平と話そうって思って・・・」



だから、椋平の家に行ったんだ。
ちゃんと会って、話をして椋平の気持ちを少しでも知りたくて。
言ってくれなくてもいい、そんな事はわかってたから。
それでも、顔を見て話せば、椋平が思ってること少しはわかると思ったから。

口に出してくれなくても、椋平の態度でわかると思ったから。





「椋平の、心の声を聞こうって。言葉にしてくれなくても、きっと椋平は表情とか態度とかで教えてくれるからって」

「・・・なんだよそれ」

「私はいつも、それを見過ごしてしまうから。椋平が想いをちゃんと示してくれることに気づけてないことが多いと思うから。こんな時こそちゃんと向き合って見過ごさないようにしたくて」




少しでも時間を作ろうとしてくれてたこととか。
駅まで迎えに来てくれてることとか。

毎日、カフェにご飯を食べに来てくれることとか。




「でも、そのおかげで椋平の気持ち、思いの外わかってよかった」

「・・・はぁ。苦手なんだよ。そういうの。好きとか、簡単に言えねぇっての」

「知ってるよ。椋平、私が好きって言っても、いつも知ってる、としか言わないんだよ?気づいてた?」




俺も、っていう返事を最初は期待してた。
それでも今は。

私の気持ちを知っていてくれてる、そのことが嬉しいと思える。



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