クールな溺愛彼氏様⁉︎



停留所から水族館の入り口まで歩く。
もうすぐだ。




「あ、あの!」




後ろから、声をかけられる。
真後ろから聞こえた声に振り返ると、帽子を目深にかぶった男の人が立っていた。
その人は肩をすぼめ、顔を俯かせているため顔までは見えずオドオドとした雰囲気で立っていた。




「・・・はい?」




私が戸惑っていると、椋平が代わりに返事をする。
その人は、一瞬ビクッと肩を震わせると、私に手をつき出した。




「え?」




な、なに?
怪訝な瞳で見るとその手には何かが握られている。



「お、落としましたよ」

「え?あ、ハンカチ・・・?」



落としたって、鞄の中から出してないけど・・・。
戸惑いつつ押し付けられるように渡されたハンカチ。




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