クールな溺愛彼氏様⁉︎
今は、話したくない。
冷静でいられない。
例え、どう言われたって言い訳にしか聞けないと思う。
私は、椋平のいる方ではない反対側の接客に回った。
そこにいるのは、OLの女の人のグループが2組と、あといつものおどおどした常連さん。
「すみません」
「はい」
常連さんに声をかけられ席に向かう。
顔を俯かせたまま時々こちらを伺うように顔を上げる。
深々と帽子をかぶっていて、顔があまり伺えない。
「ご注文ですか?」
「い、いえ・・・その・・・」
なかなか要件を放されない常連さんに、首をかしげる。
注文ではないとしたら何?
お水?
でも、水は大して減ってはいない。
「あの・・・」
「これ、読んでください」
「え・・・?」
突きつけられるようにして渡されたのは、手紙。
常連さんは渡すとお金を置いてそのまま飛び出して行った。