クールな溺愛彼氏様⁉︎
駅に向かう途中、見覚えのある後姿を見つけた。
あの縮こまったような自信なさげな雰囲気。
帽子を深くかぶっていてだるっとした格好。
あいつだ!
まだ近くにいたのか。
もし、ストーカーではなかったら。
そんなことは考えられず思わず追いかけていた。
こんな事、もう終わらせてやる。
警察だけではやっぱり心もとない。
目の前にして逃げるなんて、できるかよ。
俺はそいつを追いかける。
男は人気のない路地裏に入っていく。
それを追いかけ、声をかけるタイミングを見計らう。
さびれた歩道橋を上がっていく。
これ以上追いかけても仕方ない、と声をかける決心を固めた。
「おい!」
後ろから腕を掴む。
振り向いた男は、常連の男で間違いなかった。