クールな溺愛彼氏様⁉︎



「ちょっと、手、真っ赤!」

「大丈夫。淹れなおしたやつ持っていかなきゃ」

「そんなの私するよ。未侑は冷やして」

「ううん。私がする。私が、淹れなおしてくるって言ったから。私じゃなかったら、あのお客さん気にすると思うから」

「そんな事言ったって」




せっかく、頑張ってカフェに入ったのかもしれない。
その頑張りを、失敗に終わらせてほしくない。

ここに来るお客さんには、喜んで過ごして帰ってほしい。




「大丈夫。渡すだけだし、戻ってきたら冷やすから」



私は、そう言って新しいコーヒーを持ってお客さんのところに運んだ。




「お待たせしました。先ほどは、失礼いたしました」

「いえ・・・すみません。あの、手は大丈夫ですか・・・?」

「はい、お気になさらないでください。コーヒー、温かいうちに飲んでくださいね。美味しいので」




笑ってそう言うと頭を下げカウンターに戻った。




「早く!」




加奈子に腕を掴まれ水にあてられる。
痛くて手を引きそうになるのを加奈子に止められ涙目になる。




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