クールな溺愛彼氏様⁉︎
「せめて痛みが治まるまででも休め」
「そんな!」
「しばらくは治療に専念しろ。女の子の身体なんだから、痕が残ったら困る」
「・・・すみません」
迷惑をかけてしまう事に自己嫌悪。
私はとりあえず荷物もある、カフェに戻った。
「大丈夫?」
「うん・・・。本当に、迷惑かけてごめんね」
「迷惑なんて、バカ言わないでよ!お互い様でしょ!子どもが熱出した時とか代わってもらったりしてるし。こういう時くらい頼ってよ!」
「ありがとう・・・」
嬉しくて、涙がちょちょぎれそうだ。
私の代わりに、店長が入ってくれることになり私はカフェを出た。
かなり迷惑をかけてしまった。
私は深いため息を吐く。
沈んでいく心と、痛みの残る右手。
駅までの足取りが重い。
「未侑!」
椋平のオフィスの前を通り過ぎた時、呼び止める声がする。
空耳?そう思いながら振り向くとそこには息を切らした椋平が。