クールな溺愛彼氏様⁉︎
「椋平?料理するの?」
「飯、まだだろ?」
「まだだけど・・・。なにもするなっていうから、食べに行くんだと思ってた」
手を洗い、フライパンやら材料やらをテキパキと用意する椋平の姿に私は戸惑う。
椋平仕事で疲れてるのに、こんな事やらせるなんて。
「椋平、家で食べるなら私するよ」
「その手でどうやって」
「が、頑張ればできると思う」
「いいからお前は座ってろよ。安静にしとかないと治るもんも治らないぞ」
そう言われ、押しやられる。
所在な下げに立ちすくむ。
でも、私がキッチンにいたところで確かに邪魔にしかならない。
携帯でメールを打つだけでも大変だったのに、料理なんて無理だ。
私は渋々ソファに戻った。
他に何かできることはないかと考えても、結局思いつかないまま。
部屋は美味しい匂いに溢れていく。
キッチンに向かう椋平の後姿が、かっこいい。
こんな時でさえ、見惚れてしまう私って・・・。