クールな溺愛彼氏様⁉︎
水曜日。
その日、私はカフェのお仕事はお休み。
街に繰り出し、浴衣を買いに来たんだ。
せっかくの花火大会。
浴衣着て、可愛いって思ってもらいたい。
ドンッ
前から来た男の人と肩がぶつかってしまいよろけた。
手に持っていたタオルを落としてしまう。
「す、すみません」
慌てて謝ると、ぶつかった人は俯いたままもぞもぞと何かを言っていた。
声が小さくて聞こえない。
おどおどした雰囲気の人。
「あの、大丈夫ですか?」
「は、はい。すみません」
ようやくはっきりとした声を聞く。
ぶつかってけがをしたわけではなさそうでホッとした。
私は落としたタオルを拾うのをすっかり忘れそのままその場を立ち去ってしまった。