クールな溺愛彼氏様⁉︎
家に帰って、急いで浴衣に着替える。
髪を結って準備を整え椋平に連絡すると30分後に最寄駅に集合になった。
最寄駅に降りると、そこはもう人でごった返していた。
人ごみをすり抜け、私は携帯で椋平に連絡を取る。
「もしもし?椋平?ついたけど、どこ?」
―改札出て右のコンビニの前
「わかった。行くね!」
椋平に言われたコンビニに行くと、そこに椋平の姿を見つけた。
でも、椋平は知らない女の子と楽しそうに話をしていた。
誰・・・?
見たことない。
相手も浴衣を着ていて、とても可愛らしい女の子だ。
椋平があんな風に笑って話すの、珍しいよね。
私は近寄ることも声をかけることもできなかった。
しばらくするとその人は手を振って人ごみに消えて行った。
私はそこでハッとして椋平のもとに駆け寄った。
「椋平」
「ああ、未侑。お疲れ」
「うん。お疲れ」
聞けない。
聞いて、空気が悪くなるのはいやだし。
せっかくのデートなのに。