クールな溺愛彼氏様⁉︎



家に帰って、急いで浴衣に着替える。
髪を結って準備を整え椋平に連絡すると30分後に最寄駅に集合になった。


最寄駅に降りると、そこはもう人でごった返していた。
人ごみをすり抜け、私は携帯で椋平に連絡を取る。



「もしもし?椋平?ついたけど、どこ?」

―改札出て右のコンビニの前

「わかった。行くね!」




椋平に言われたコンビニに行くと、そこに椋平の姿を見つけた。
でも、椋平は知らない女の子と楽しそうに話をしていた。

誰・・・?

見たことない。
相手も浴衣を着ていて、とても可愛らしい女の子だ。


椋平があんな風に笑って話すの、珍しいよね。


私は近寄ることも声をかけることもできなかった。
しばらくするとその人は手を振って人ごみに消えて行った。



私はそこでハッとして椋平のもとに駆け寄った。



「椋平」

「ああ、未侑。お疲れ」

「うん。お疲れ」




聞けない。
聞いて、空気が悪くなるのはいやだし。
せっかくのデートなのに。



< 97 / 243 >

この作品をシェア

pagetop