また逢う日まで
独りのアナタ
ギャハハハ!!・・・おい待てよー!・・・
ねーねー、このお洋服可愛くない?・・・いいねー!○○ちゃんに似合うよ!

放課後になると、あちこちから色んな会話が聞こえてくる。そんな会話を、独りの少女が本を読むフリをしながら聞いていた。
少女の名前は『川村みちる』小学4年生。
彼女は小さい頃から人見知りなうえに大人しい性格のため、小学4年生になった今でも友達が出来ないのだ。
「はぁ・・・」と小さくため息を漏らす。
・・・せめて・・・、せめて1人だけでも友達がいれば楽しいんだろうけどな・・・と、彼女は思いながら帰る準備をした。そして学校を出て、いつものとある場所に寄った。
そこはみちるの家から徒歩で3分もかからない場所にある、小さな神社だった。
彼女はあたりを見渡し、誰もいないことを確認すると、「神さま・・・、私に友達をください。1人でいいんです。大切だと思える友達をください。」と言った。ーーいや、実際は「呟いた」という表現の方が正しいくらいに小さな声だった。
みちるは毎日、学校が終わるとこうして神社に寄り、この願い事を言っている。
ーーこんな願い事、もし家族に聞かれたりしたらーー・・・と思うと、惨めで、哀しい気持ちになるので、家族には言わないでいた。
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