私にモテ期がやってきた
すると彼は、平然と答える。

「あぁ。教室の机に置いてきた。
いつものように、体育館で自主練してきたんだ。
早く来たから、クラスも確認出来たし」

「そっか。
杉田、今日も朝練したんだ。
ほかに誰かいた?」
「あぁ。
森野先輩と山形先輩、それに坂口が一緒だった。自主練って言っても、体育館は使えないからランニングしただけなんだけどな」
「そっかぁ。
それでもみんな、熱心だね」

歩きながら、くるみと杉田が話している。
2年3組の前まで来ると
「じゃあね、智美。
帰りに迎えにくるから」
「分かった、じゃあね」
そう言って、くるみは隣の教室に入って行く。

私はクラス名簿を確認する。
…良かった。
1年のとき一緒のクラスで仲が良かった菊池美里(キクチ ミサト)と、また一緒のクラスだ。
その美里の姿は、まだ見えない。

教室に入ると、黒板に座席表があった。
指示された席は美里の後ろで、杉田の隣だ。
とりあえず、周りに知っている人がいることに安心する。

自分の席に行き、荷物を置く。
そして、隣に座っている杉田に、
「これから1年、よろしくね」と、改めて挨拶をした。

杉田も、
「おう。こちらこそヨロシクな」
と言ったところで、美里が教室に入ってきた。

私を見つけると、
「あー、智美おはよう。また一緒のクラスで良かったよ」
そう言って抱きついてきた。


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