私にモテ期がやってきた
私も美里を抱きしめ返しながら、
「美里おはよう。
私も、美里と同じクラスで良かったよ!」
と言った。

美里は鞄を置くと、またすぐに私を振り返る。
そして、私の隣にいる杉田を確認すると、
「響くんも、一緒のクラスだ。よろしくね」
と、声をかける。

杉田も、
「あぁ、ヨロシク」
と返事をする。

私が不思議に思っていると、
「あぁ。私と響くん、中学が一緒なの。
智美は響くんと、部活が一緒なんだよね?」
美里がそう言ってきた。

「うん」
私が頷くと先生が教室に入って来て、美里はすぐに前を向いた。
それから先生の誘導の元、始業式を行うために体育館に向かう。

正直言って、始業式は退屈だ。
校長先生の長い話など、ホントどうでもいい。
このあと…今日の午後に行われる入学式で、また同じことを話すのだろうか?
ふと昨年の入学式を思いだし、新入生たちを可哀相に思った。

それから、各クラスの先生の紹介が終わり、また教室へと戻る。
みんなが席に着くと、簡単な担任の自己紹介があり、明日、私たちも自己紹介をするので、話すことを考えてくるように言われ、明日と明後日の予定を簡単に聞いて、その日は終わりになった。

クラスメートたちが帰って行く中、私はくるみを待っていた。
美里も友達を待っているらしく、一緒に教室に残っていた。


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