私にモテ期がやってきた
私とくるみは、高橋くんを呼んで、くるみがつけていたスコアを見せた。
さっと目を通した彼は、すぐにそれを顧問に見せた。

顧問はすぐにタイムアウトをとり、TOと相手チームとスコアの確認をする。
するとやはり、相手7番は5ファールで退場だった。

私とくるみは一安心。

その後試合は、大黒柱を失った相手チームを攻めた私たちが勝った。

試合後、エリカちゃんのスコアとくるみのスコアを比べたけれど、全く違っていた。

「……………」
「……………」
「くるみ。智美ちゃん。
今日、全日程が終わってから、近野の話を聞くから。
付き合ってくれ!」
「分かった」
「分かりました」

その日、2試合目(準決勝)は私が、3試合目(決勝)はくるみがスコアラーを務め、何の問題もなく、チームも全勝で優勝した。




☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

表彰式を終えて、みんなで学校に戻ったのは夜7時。
部員たちに優勝を労った顧問は、キャプテンと副キャプテン·2年生リーダーの杉田·1年生リーダーの高橋くん、そしてマネージャーの3人を残して解散させた。

「これから話すことの内容は分かるな」
顧問がエリカちゃんを見ながら、静かに問いかけた。

「はい。
すみませんでした」
と返事をしたエリカちゃんは涙声だ。

「近野。
過ぎたことは仕方ない。
だが、どうしてこんなことになったのかを教えて欲しい。
説明してくれないか?」
あくまで優しくエリカちゃんに問いかける。



< 44 / 47 >

この作品をシェア

pagetop