あの子が知らない君を見ていたい
ーガラガラー
「うーーーん!!」
やっぱり保健室って涼しいな~
…う?あんまり使われない保健室が涼しい?
涼しい=エアコンがついてる
てことは、誰かいる?それともさっきまで誰かいた?
どっちだろう。なんか保健室で人と会うの気まずいんだよねー。
「わっ!」
「ぎゃ!」
後ろから聞こえてくる声にびっくりすると同時に変な声が出た。
「だれ?」心のなかで聞きながら後ろを振り向く。
「こんにちは!笨豪さん!」
振り返った先には…
「……えっとー。だれ……?」
見覚えのない男の子がたっていた。
ほんとに誰だろう…
「忘れちゃった?w 萩山 雷 (はぎやま らい)です!」
はぎやま らい?
……あっ!
一人の人が思い浮かんだ。
中学の時のサッカー部の部長さん。
大希がサッカー部だったから、大希と仲良かった私によく話しかけてくれたり優しくしてくれた先輩。
「中学で、サッカー部の部長だった萩山先輩!?」
「うん!久しぶり!」
「お久しぶりです!!」
萩山先輩…大分変わったな!
背も20cmは伸びてるし、眼鏡もかけてない。
雰囲気も、可愛い顔なのに大人で、まるで別人みたい。
「笨豪さん、大人っぽくなったね!
背も10cmは伸びてるし!顔も大人っぽくなって!化粧してる?」
私が思ってたこととほぼ同じこと言ってるw
なんで化粧してるって分かったんだろう?
先輩よくみてるなー
他人のことをよくみてる所は変わらないなー
「ずっと笨豪さんに会いたかったんだよね~!」
えっ!?
先輩が私に会いたかったの!?
「うん!友達がさ、入学式の時可愛い子がいるって言って、次の日1年の教室まで無理やりつれてかれてさw 友達が言ってた子が、笨豪さんでさw」
それで知っててくれたんだ。