誰にも内緒の溺愛旦那様
Chapter 1
「ただいまー」
誰もいない、真っ暗な家。
ダイニングテーブルの上には、一週間前のお母さんの置き手紙。
いつもいつも、お金を置いていってご飯は勝手に食べろ。
広いリビングが、ますますあたしを小さくしてる。
せっかく、模試の結果が良くても。
お母さんにもお父さんにも、報告できない。
友達もいなくて、ひとりぼっちのあたしの唯一の楽しみは、録画していたドラマを見ること。
恋愛ものや、刑事もの、とにかくなんでも見る。
< 1 / 274 >