誰にも内緒の溺愛旦那様
バカあたし………
料理が美味しくなくなっちゃう……
大好きな人が目の前にいるのに。
「すいませ……」
「いいよ、全然。」
帰りの車の中。
あれから、ほとんど何も喋っていない。
目が赤く腫れぼったくなった。
「家、どこら辺?」
あたしが倒れた所の近くまで来た。
「ここで大丈夫です。」
「柚ちゃんその顔で外歩けるの?」
「あ、…」
「甘えていいんだから。どこら辺?」
「……そこの角を、右です」
ほんとに申し訳ない……。
助けてもらったあげく………
だんだん見えてくる家。
あたしを現実に戻す、大きな空っぽの家。