誰にも内緒の溺愛旦那様
「あ、の、………冗談…ですか」
「ああ、ごめん、回りくどい言い方だね、こう言えばいい?
俺の婚約者になって」
「し、ししし失礼しますっ!」
勢い余ってドアを閉めるときに大きな音がなった。
「何よあれ………」
鳴海さんがわからない。
ただの同情?
荒手の…ナンパ?
あんなの、本気なわけない。
冗談に……決まってる。
家に入って鍵を閉めて、
ベッドに入って、必死に目をつむった。