誰にも内緒の溺愛旦那様




「ふざけてなんかないっ……!!」



思わず、声が出た。



「柚?何を言ってるんだ?お前は」


「鳴海さんは……あたしを、暗闇から救ってくれたの……ひとりぼっちだったあたしを……」
「ひとりぼっち?暗闇?さっきから、何を言っている。不自由なく生活させてやってるんだ、金だって無きゃこんな家には住めないし、勉強も……」




違う…そうじゃない。


そうじゃないよ、お父さん……




「お父さんもお母さんも帰ってこない家で、ただ生活費を渡されて、こんなの嫌なの………。お金なんていらない……もう何もいらない………大好きな人が側にいてくれるって、こんなに幸せなんだって、あたし……最近やっと知ったの………」






「お前は、高校生なんだぞ。なんで今結婚なんだ。
……まさか、子供か!!?」


< 62 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop