誰にも内緒の溺愛旦那様
Chapter 4
「また痩せたんじゃない?」
「ううん。変わってないよ」
「お父さん、帰ってきた?」
「うん、昨日。服だけ取って、また行ったよ」
「あの人も、大変だものね……。
昨日の夜に帰ってきたんだけど、こっちのクライアントと話し込んで、たまってた仕事を片付けてたら事務所で寝ちゃって」
「お疲れさま」
「ありがとう。何か食べるもの、ある?」
「あ、うん…」
冷蔵庫に入ってた、わずかな材料から、
鳴海さんが作ってくれた朝ごはん。
「凄い…柚、料理出来るようになったのね…。」
「あ…あたしじゃなくて…」
「ああ!!この人!イタリアのニュースで映画の賞とったのよね、この人」
お母さんは、間違いなく、
鳴海さんを指差して言っていた。