強引上司の溺愛トラップ
私も……ファーストキスに対する”理想”は、漠然とだけどあった。

どこで、とか、どんな時に、とかはなかったけど、恋人と幸せなデートをした帰りに、とか……。


理想と現実は違った。だって今のは確実に事故だもの。


それなのに……



なんでこんなに嬉しいと思ってしまっているの?




そんな私の頬に、課長の大きな右手が包み込むように触れる。


そして、顔を近付けて、甘い声で「……佐菜」と囁いて。



ゆっくりと、唇が近付く。
< 107 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop