強引上司の溺愛トラップ
自分の気持ち、ちゃんと伝えようと思ったのですが。
それから一週間が経った頃だった。
午前中、いつものようにデスクで仕事をしていると、「すみません」とカウンター越しにお客様に声を掛けられた。
私は慌てて立ち上がって、カウンター越しにお客様の正面に立った。
「はい。いらっしゃいませ」
「すみません、ええと……」
そのお客様は、私より少し年上くらいの、綺麗な女性だった。雰囲気があって、まるで毎週見ている火曜ドラマの主演女優みたいに美人だ。
左手を口元に充てながら言葉を探すその女性の左手首に、高級そうな腕時計がキラリと光った。
融資の相談じゃないのかな? 預金カウンターと間違えてる?
さりげなく声を掛けようとしたその時、女性の斜め後ろの応接室が開いて、中から課長が出てきた。課長は、自分のお客様をその場で見送ったあと、その女性に気付いた。
「……千鈴(ちすず)?」
「優くん!」
その女性は、笑顔で課長のことを名前で呼ぶと、
「会いたかった!」
と、その場で課長に抱きついた……。
……えええ!!?
午前中、いつものようにデスクで仕事をしていると、「すみません」とカウンター越しにお客様に声を掛けられた。
私は慌てて立ち上がって、カウンター越しにお客様の正面に立った。
「はい。いらっしゃいませ」
「すみません、ええと……」
そのお客様は、私より少し年上くらいの、綺麗な女性だった。雰囲気があって、まるで毎週見ている火曜ドラマの主演女優みたいに美人だ。
左手を口元に充てながら言葉を探すその女性の左手首に、高級そうな腕時計がキラリと光った。
融資の相談じゃないのかな? 預金カウンターと間違えてる?
さりげなく声を掛けようとしたその時、女性の斜め後ろの応接室が開いて、中から課長が出てきた。課長は、自分のお客様をその場で見送ったあと、その女性に気付いた。
「……千鈴(ちすず)?」
「優くん!」
その女性は、笑顔で課長のことを名前で呼ぶと、
「会いたかった!」
と、その場で課長に抱きついた……。
……えええ!!?