強引上司の溺愛トラップ
「……どっちも……」

恥ずかしすぎて消え入りそうな声でそう言うと、課長は「ふはっ」と声に出して笑った。


そして。


「ほんと、かわいーな」

そう言って、私の唇に、ちゅっと、キスを落とした。


「!?」

誰が見てるか分からなくて、私は慌てて、凄い勢いで首を動かして左右前後を確認するけど、辺りには誰もいなかった。


「キョドりすぎ」

意地悪気……と言うよりは、小バカにした感じで小さく笑った後、課長は食堂を後にした。


そして、その背中を見つめてポカンとしていると、私の携帯にLINEの新着メッセージが届いた。


【寝顔もいいけど、佐菜のエロい顔見れる日も楽しみに待ってます】



……!!?


バカ!!バカ!!課長のバカ!!




……エッチ、か……。





……心の準備って、どうしたら出来るんだろうか。
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