強引上司の溺愛トラップ
カーテンから零れる朝日を感じながら再び目を覚ましたのは、朝七時だった。土曜日だし、もう少し寝ていられるけど、どうしようかな?と思いながら何となく携帯をいじっていると、課長も目を覚ました。


「……おはよ」

「おはようございます」

課長は早速、私のことをギュッと正面から抱き締めた。


「……ゆ、夕べはすみません。私、寝ちゃってたみたいで」

「いいよ別に。千鈴に比べたら何倍もマシだ」

「はは。私の方こそ、兄が一緒だったにもかかわらずすみません」

私がそう言うと、課長は私の頬にチュッと軽くキスをした。


……昨日、散々もっと恥ずかしいことをしたというのに、どうしてキスでこんなに照れてしまうんだろう。



「じん……いや、兄と千鈴さん、意外すぎてビックリしました」

恥ずかしがってるのがバレないようにするため、私は話題を振った。

でも、本音でもあった。
理想の恋じゃなかったのは、神くんだけじゃなく、きっと千鈴さんも。だって、初めは課長のことが好きだったんだから。きっと、恋愛しようと思っていた訳じゃないよね。

だけど、ふたりとも幸せそうで。


でも私も、それに負けないくらい、幸せです。



恥ずかしくて言葉には出来なかったけど、布団の中で課長に寄り添った。



すると。


「佐菜……」

課長の右手が、私のTシャツの中へと侵入してくる。


「わっ、あの……?」
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