強引上司の溺愛トラップ
すると早太くんが笑いながら、

「神はひとり暮らしとかは考えてないのか?」

と言うけど。


「ひとり暮らし? 無理無理、俺にひとり暮らしなんて。誰がご飯作ってくれんの。誰がゴキブリ退治してくれんの」

と、一蹴した。


お母さんが「情けない三十代ね」と、もう一度深く溜め息を吐いた。



それを聞いて私は。

「やっぱり、私もひとり暮らしとかも考えた方がいいのかな」

と、呟いてみる。私ももういい年だし、結婚はまだ出来ないにしても、家を出た方がお母さんが色々と楽になるよね。


でも、私がそう言うとお母さんは慌てて。

「佐菜はいいのよ! 女の子なんだから、お嫁に行くまで実家にいて」


そして、

「結婚遅くなってもいいから、変な男性には引っかかっちゃダメよ」

と、いつものセリフも続けられた。
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