強引上司の溺愛トラップ

苦手な人と理想の人に同時に会ってしまったんですが。

あっという間に土日は過ぎ、月曜日になった。今日から例の『鬼課長』と、新入社員の男の子が異動してくる。


はぁ…緊張するなぁ。

課内で挨拶とかもあるだろうし、とりあえずいつもより早目に出勤してきたけど、そのふたりはもう出社しているんだろうか、と電車の中でボンヤリと思う。



いや、ボンヤリしてる場合じゃない。
鬼課長のこともしっかり覚悟しておかないといけないけど、何より今日から私は新入社員の男の子の教育係なんだ。

今日と明日は業務の引き継ぎ関係で川崎さんもまだこっちの店にいるとは言え、私もしっかりしなきゃ。


私は音楽プレーヤーの『気合を入れる時用フォルダ』(自作)に入ってる音楽を聴きながら、周囲に変に思われない程度に両手で顔をパンと叩き、更に気合を入れた。




「おはようございます」

予定通り、いつもより少し早い時間に職場に着き、更衣室で制服に着替えたあと、挨拶をしながら営業室に入る。


ドキドキしてきた。



するとすぐに、「あ、渡辺こっちー」と、営業室の中央奥にある部長席から部長に手招きされ、私は向かう。




そこでは、部長の前に、二人の男性が立っていた。
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