強引上司の溺愛トラップ
少し頑張ってみたいと思いました。
そして、飲み会の日がやってきた。
「お疲れ様です。ビールで大丈夫ですか?」
ゆっくり食事をとる時間もあまりなく、私はビール瓶を持って、上司の方たちの席へお酌に回っていた。
私はこの時間が大の苦手だ……。
同じ融資課の上司の方たちとはまだ話しやすいけど、普段なかなか話さない事務課や営業課の上司の方と、こういう時に何を話せばいいのか……って分からなくて焦ってしまう。
しかもお酒が入っているから、
「おっ、ナベさん! いつもコピー機ありがとうねー!」
「あ、いえとんでもないです……」
「ナベさんも飲んでる⁉︎」
「は、はい少し……」
「もっと飲めよー! 口移ししてやろうか⁉︎」
「え⁉︎」
そう言って、事務課の係長が私に唇を近付けてくる。
さすがに本当にキスされる訳はないと分かっていても、ちょっと、困る。こういう時に、上手にかわせる女性なら何とも思わないんだろうけど……。
すると、その時。
「お疲れ様です。融資課に新しく配属されました、一島です。よろしくお願いします!」
後ろから、一島くんがビール瓶を手に、係長に声を掛けた。
「お疲れ様です。ビールで大丈夫ですか?」
ゆっくり食事をとる時間もあまりなく、私はビール瓶を持って、上司の方たちの席へお酌に回っていた。
私はこの時間が大の苦手だ……。
同じ融資課の上司の方たちとはまだ話しやすいけど、普段なかなか話さない事務課や営業課の上司の方と、こういう時に何を話せばいいのか……って分からなくて焦ってしまう。
しかもお酒が入っているから、
「おっ、ナベさん! いつもコピー機ありがとうねー!」
「あ、いえとんでもないです……」
「ナベさんも飲んでる⁉︎」
「は、はい少し……」
「もっと飲めよー! 口移ししてやろうか⁉︎」
「え⁉︎」
そう言って、事務課の係長が私に唇を近付けてくる。
さすがに本当にキスされる訳はないと分かっていても、ちょっと、困る。こういう時に、上手にかわせる女性なら何とも思わないんだろうけど……。
すると、その時。
「お疲れ様です。融資課に新しく配属されました、一島です。よろしくお願いします!」
後ろから、一島くんがビール瓶を手に、係長に声を掛けた。